ドレーク海峡は「世界一危険な海」と言われるほど荒れることで知られており、南米沿岸のぎりぎりを航行したとしても、その危険性は変わりません。
ドレーク海峡は、南極周極流という地球上で最も強い海流の一つが流れる場所にあります。
この海流は秒速2〜3メートルに達することもあり、船の進行を非常に困難にします。
また、年間を通して温帯低気圧が通り道となっており、陸地に遮られない強風が吹き荒れるため、波が非常に発達しやすいです。
ドレーク海峡を含む南緯60度付近は「絶叫する60度(shrieking sixties)」と呼ばれ、常に荒れている海域として有名です。
強風と海流の影響で、ドレーク海峡では10メートルを超える巨大な波が発生することがあります。
時には波の高さが25メートル、8階建ての建物の高さに達したという報告もあります。
さらに、この海域では天候が急激に変化することも珍しくなく、晴れていたかと思えば数時間後には嵐になることもあります。
ドレーク海峡は南極に近いため、氷山や流氷が漂流しています。
これらはレーダーで探知しにくく、船との衝突事故を引き起こすリスクがあります。
南緯55度から60度あたりには陸地がほとんどなく、南極大陸を中心に強い偏西風と海流(南極周極流)が遮られることなく地球を一周しています。
特にドレーク海峡は南米大陸と南極半島の間で狭くなっているため、ビル風のように風速が増し、その結果、風も海流もより一層激しくなります。
ドレーク海峡の危険性は、海峡の中央部に限らず、その海域全体にわたって存在します。
南米沿岸のギリギリを通るとしても、上記の要因、特に巨大な波や急激な天候の変化、そして強風の影響は避けられないため、引き続き大荒れで危険な航海となるでしょう。