不動産業に携わっている者です。
残念ながら、家庭裁判所への再申し立てで共有名義に変更する方法は、今の状況ではかなり難しいのが実情です。家庭裁判所が扱う遺産分割調停や審判は、まだ協議が成立していない段階のための手続きです。すでに協議が成立してお兄様名義で登記が完了している以上、原則としてその協議の内容をやり直すことはできません。
ただ、手段がまったくないわけではありません。「共有名義にすると面倒」という説明を信じて単独名義に同意したにもかかわらず4年間売却が進まないとなると、当初から売却の意思がなかったのではないかという疑念も生じます。もしそうであれば、詐欺(民法96条)を理由に遺産分割協議の取消しを主張できる可能性があります。また、「売れたら代金を折半する」という合意があったなら、債務不履行として損害賠償を請求する方法も考えられます。いずれの場合も家庭裁判所ではなく地方裁判所での訴訟になります。
詐欺による取消権の時効は、詐欺の事実を知ってから5年です。4年が経過していることもあり、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。当時のLINEや会話の録音など、約束の内容を示す証拠は今のうちに整理しておいてください。