副詞の「全然」は、伝統的に肯定文にも使われてきましたが、その時の意味は、状態副詞としての「残りなく、すっかり」という意味で使われてきました。
<例>
・僕は全然(ゼンゼン)恋の奴隷(やっこ)であったから(出典:牛肉と馬鈴薯(1901)〈国木田独歩〉)
例文の「寂しさは全然あります」の「全然」は状態動詞としての「残りなく、すっかり」という意味ではなく、程度副詞の「非常に、とても」という意味で使われています。
この使い方は、伝統的な使い方ではなく、戦後になって使われ始めた新しい使い方です。
<例>
・アプレゲールは全然エライよ(出典:安吾巷談(1950)〈坂口安吾〉田園ハレム)
なお、この使い方に違和感を覚える人も多く、まだ正式な言葉としては認められていないようです。(辞書には「俗な言い方」や「口頭語」という記載が見られる)