>お金を交換する取引所で、円を売ってドルを買いたい額と、ドルを売って円を買いたい額の差が、交換レートを決めていくと思うのですが…
ちょっと違います。
メディアでしばしば「為替市場」という言葉を目にしますが、為替の世界では、株式市場のように「特定の取引所」でドルや円が取引されるわけではありません。
「A銀行とB銀行の電話取引」、「C銀行とD銀行の端末取引」、「E銀行とF銀行の電話取引」、「為替ブローカーを通じた取引」…といったぐあいに、為替取引にはいくつものケースがあり、「ひとつの決まった取引所」で取引が行われるわけではありません。
また、「東京為替市場」とは、おおむね、日本時間の午前8時~午後5時前後に行われる「為替取引の総体」を指しています。→東京のどこかに、「東京為替取引所」という看板が掲げられた建物があるわけではありません。
>銀行や機関投資家と言われる人達はドルを買って何に使うのか、何に投資したいのか、想像もつきません。色々なケースがあると思いますが、代表的なものを教えてください。
為替取引の95パーセントは、「為替差益を狙った取引」です。
たとえば、銀行の為替ディーラーXさんが、ドル円市場で1ドル=156.50円のときに100万ドル分のドルを買って、為替市場で1ドル=156.65円のときにそれをすべて売ったとすれば、差額0.15円分の為替差益を儲けることができます。(計算上の)利益金額は、
100万ドル(1.5665億円)×0.15円=2475万円、です。
ところが、実際の銀行間取引では、「売り値は56.65円、買い値は156.75円」といったぐあいに、取引相手の銀行が提示する「売り値」と「買い値」には数銭の差があるのがふつうです。たとえば、その差が5銭あったとすれば、為替差益は、0.15ー0.05=0.10円となります。
これを考慮すると、為替ディーラーXさんがこの取引で儲けた金額は、
100万ドル(1.5665億円)×0.10円=1566.5万円、となります。
また、為替市場の5パーセントは「実需取引」だと言われています。
たとえば、大手商社Yが1000万ドル(15.665億円)の原油を買い付けたとします。支払い通貨は「ドル」で、「あらかじめ決めた日本の港にタンカーが到着したのを確認したうえで、指定された銀行の口座に振り込む」と合意していたとします。
大手商社Yが1000万ドルを持っていない場合、銀行口座にある日本円をドルに替えて、タンカーの到着までに原油の支払代金1000万ドルを用意しなくてはいけません。
このとき、取引銀行に、1000万ドル分の「円売り/ドル買い」の注文を出すわけです。
この場合、為替取引が終わって、大手商社Yが1000万ドルを入手すれば、大手商社Yの為替取引はそれですべて終了です。→大手商社Yが為替市場で反対売買をすることはありません。