おっしゃる通りですね。
議論をするだけなら良いだろう、みたいなことを言う人もいますけど、核保有はその疑惑を持たれるだけで、イラクのように国を潰された事例があるのですから、そういう人は平和ボケと呼ばせていただくことに躊躇ありません。
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根本的な問題として、NPTで核武装を禁じられている日本がそんなことをしようとすれば、世界から制裁を課せられて、日本国民も北朝鮮国民並の耐乏生活を強いられることになります。
すなわち日本の自滅です。
アメリカを含む世界各国が核に関して心配しているのは、どこかの核保有国が核で脅して侵略するとかよりも、核拡散の結果、テロリストの手に核が渡ることの方です。
全ての国が核武装ができるようになると、財政的に核兵器を管理しきれない国が現れて、そういった国から核がテロリストに渡ってしまう可能性が格段に高くなる。彼らは自分が責任を持つべき住民を持たないので、簡単に他国を核で脅すことができる。相互確証破壊が効かない相手が核を保有することが問題なのです。
そんなことを呼び込むくらいなら、たとえ不公平でも、自国が核武装できなくても構わないから、他国も核武装させない方が良い、と世界の国々は判断して、NPT体制を構築しているのです。
アメリカ大統領がトランプ氏であってもそれは変わりません。
この状況下で、NPTで核保有が認められていない日本が核武装の意思を見せれば、それはNPT体制に叛旗を翻すということであり、日本はイランや北朝鮮と同じように、世界から制裁されます。
そして、エネルギーも食料も自給できない日本が、そんな制裁を受ければ国はボロボロになり、もはや国防どころではなくなります。
核が無ければ日本が守れない、なんて言ったって、世界の圧倒的多数の国々は核など持たずに国の存立を守ることができているのであり、世界は日本を「無能」、「チキン」と評価するだけです。
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なお、核共有をすればいいとか言っている人もいるみたいですけど、これなど核共有の意味が全くわかっていない人の妄言でしかありません。
そもそも核共有とは、自国に核を落とす責任をアメリカではなく自分たちが負うというシステムです。
冷戦時代、東側が侵略してきた時に、その侵攻を止めるために西ドイツなどでは自国内で核を使うことが想定されました。それを西ドイツ政府が反対したら使えないようにした、という意味で責任を分担したから核共有なんです。
核共有を受けた国は、自分の国に味方の核が使われることを覚悟する、その責任は自分たちが負う、と誓約させられたようなもの、それがNATOの核共有。
他国に使うには、アメリカの同意が必要なので、核抑止力という点では通常の「核の傘」と何も変わりません。
この核共有を日本が受け入れた場合、日本が唯一、決定権を握れるのは、やはり日本の領域内で核を使う場合のみ。
言い換えれば、日本に入り込んで来た敵の侵攻を核を使って食い止めようとなった時に、それはアメリカが勝手に落としたんじゃない、日本政府の責任で決めたことだという体裁を整える、すなわち、アメリカが同盟国に核を使ったと後々非難されないためのもの。
つまり核共有とは、日本国民にとっては、敵の侵攻を受け、次にアメリカの核を落とされ、そしてそれは日本が自ら選んだことだとされる、そして抑止力という点では現状と何も変わらないという、まさに踏んだり蹴ったりのシステムってことです。
さて、戦争が起きて日本が侵攻されなければ、そして日本の領土を放射能まみれにする覚悟をしなければ効果が発揮されない、こんなシステムを検討すべきだとか言っている人って、本当に日本の国益を考えているんでしょうかね?
そして陸続きの西欧諸国ならともかく、島国の日本に入り込んで来た敵を、核戦争のリスクを負ってまで食い止める動機が他国にはない。
よって他国だって日本相手に核共有なんてする気はないのです。