犬の肝炎における血液生化学検査の数値変動は、肝細胞の破壊スピードと胆汁の停滞状況を映し出す重要な指標になります。
急性肝炎では、短期間に大量の肝細胞が壊死するため、ALTやASTが劇的に上昇するのが特徴です。特にASTの上昇が目立つ場合は、細胞深部までダメージが及んでいる深刻な状態を示唆します。
慢性肝炎では、炎症が緩徐に進行するため数値は中等度の上昇に留まることが多く、持続的な推移から病態の長期化を判断します。
重症度評価では、ビリルビンやALPの変化が重要です。急性期にビリルビンが急騰し、同時にALTが下降し始めた場合は、肝細胞の枯渇という極めて危険な兆候と捉えます。
慢性期では、ALPの上昇が線維化の進行を反映し、肝臓の予備能低下に伴ってビリルビンが上昇し始めることで、末期状態への移行を推測する手がかりになります。