犬の免疫介在性溶血性貧血では、赤血球の壊れ方が「血管内で破壊されるか(血管内溶血)」「主に脾臓などで処理されるか(血管外溶血)」で、検査所見と臨床像がはっきり異なります。
血管内溶血が主体の場合は、赤血球が血管内で直接破壊されるため、血色素が血中に放出されてヘモグロビン血症やヘモグロビン尿が起こり、尿が赤褐色になるのが特徴です。
急激な貧血が進行しやすく、ショックや虚脱などの全身状態悪化も強く出やすくなります。
検査では血漿がピンク〜赤色に見える溶血所見が重要になります。
血管外溶血が主体の場合は、赤血球が主に脾臓や肝臓のマクロファージによって破壊されるため、直接的な血色素尿は目立ちにくく、代わりにビリルビンの産生増加によって黄疸が出やすくなります。
検査では間接ビリルビン上昇やスフェロサイトの増加が特徴的で、貧血は進行するものの血管内型よりは急激さがやや緩やかなことが多いです。
同じ免疫介在性溶血性貧血でも、赤血球破壊の場が異なることで「尿の色の変化(血色素尿か黄疸か)」「発症スピード」「血漿の色調」といった臨床像と検査所見に違いが現れます。