孟子曰「大匠不為拙工改廢繩墨,羿不為拙射變其彀率。君子引而不發,躍如也。中道而立,能者從之。」
孟子曰く「大匠は拙工の為に繩墨を改廢せず,羿は拙射の為に其の彀率を変へず。君子は引きて發せず,躍如なり。中道而立,能者從之。」
孟子は言った「偉大な工匠は、拙稚な(下手な)工匠のために繩墨の使い方を変えたりはしない。弓術の名人羿(人名)は、拙稚な射手のために、弓を引く強さを変えたりしない。君子は、弓を引いてまだ発射しないときのように,道を行う意欲がみなぎっている。君子は(こうした状態で)動かず、ぶれることなく中庸に立つのだ。できる者はこれに従うのである。」
繩墨:墨縄ともいう。コンパスや物差しのこと
木材に直線や曲線を引くために、糸や縄に墨を付けて、しるしをつけます。
彀率:張弓的限度。躍如:意欲満々,気力が充実している様
偉大な工匠や羿、と同じように、孟子も、解らない者の為に、わかりやすく道の理想を低くすることはしない、と言っています。