金は電子を失ってイオンになりにくい金属だから、イオン化傾向がとても低いです。
理由は、金は原子核の引力が強く、外側の電子が核にしっかり引きつけられていて、電子を手放しにくいからです。特に金のような原子番号が大きい元素では、内側の電子が原子核の近くを非常に速く動くため、相対論的な効果が無視できなくなります。これをまとめて相対論効果と呼びます。
相対論効果が色と関係する話は、ざっくり言うと「電子のエネルギーの差が、光の吸収する色を変える」ということです。金では相対論効果で s 軌道の電子がより核の近くに縮み、逆に d 軌道のエネルギーとの間隔が変わります。その結果、金は青っぽい光を吸収しやすくなり、反射して目に入る光が黄色っぽく見えます。多くの金属が銀色なのは、可視光を幅広く反射してしまうためですが、金はその吸収のクセが相対論効果で可視光の範囲に入ってくるため金色になります。
つまり、金が酸化されにくいのも金色に見えるのも、重い元素特有の相対論効果で電子の性質が少し特別になることが大きく関わっています。