元来キリスト教徒は利子を取ってはいけないので金融業をユダヤ人に押し付けていましたが、いつ頃からその禁を破って金融業に手を付けるようになりましたか?

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1210772

2026-06-12 02:10

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①十字軍時代にヨーロッパ・中近東で活動した騎士修道会「テンプル騎士団」などが最初でしょう。



十字軍活動以降、いくつかの騎士修道会(構成員たちが武器を持って戦闘にも従事するタイプの修道会)が誕生したが、テンプル騎士団はその中でももっとも有名なものです。



軍事組織としての表の顔に加えて持っていたテンプル騎士団のもう一つの顔が、財務機関としてのものでした。



特筆すべき点として、騎士団が保有する資産(構成員が所属前に保有していた不動産や各国の王族や有力貴族からの寄進された土地など)の殆どを換金し、その管理のために財務システムを発達させ、後に発生するメディチ家などによる国際銀行の構築に先立ち、独自の国際的財務管理システムを所有していたとされる事が挙げられます。



騎士団で実際に前線で戦うのは会員の数%にすぎませんでした。

ほとんどの会員は軍事活動そのものより、それを支援するための兵站および経済的基盤の構築にあたりました。

巡礼者に対しては、現金を持って移動するリスクを防ぐため、自己宛為替手形(lettre de change)の発行等の銀行機関のようなサービスも行いました。

また現在で言う預金通帳のような書類(bon de dépôt)もテンプル騎士団の革新的発明だと言われてます。



「罰金」名目の利子:

教会の禁止規定(高利貸し禁止)を回避するため、貸付の利子を直接的に受け取るのではなく、返済が遅れた場合の「罰金」として名目を変えて徴収しました。

担保の運用:

土地や貴重品を担保に融資を行い、その担保物件の収益を無利子貸付の見返りとして享受しました。

為替サービス:

ヨーロッパ各地の支部間で送金サービス(為替手形)を提供し、その為替手数料や利潤を得ていました。

安全な保管庫:

銀行の役割を担い、貴族や王族の資金を預かって運用していました。



この効率的なシステムにより、テンプル騎士団は中世最大の金融機関となりました。



➁13世紀の転換:

フランシスコ会の思想家ペトルス・ヨハネス・オリビィ(Petrus Johannes Olivi, 1248-1298)は、商人の活動を正当化する上で重要な役割を果たしました。

彼は、商人が資金を有効活用して利益を上げる「能力」や「リスク」を正当に評価しました。

この思想は、利子を単に「貸したものの対価」ではなく、「事業成長を支援する資本の報酬」として捉える道を開いたと言えます。



結論

「利子は成長のための種(投資)」という言葉は、キリスト教の倫理が、「禁欲的な富の否定」から「生産的な資本の活用」へと経済認識を転換させた現代的解釈を象徴しています。これは、資本主義の発展とも密接に関連する考え方です。



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③状況を大きく変えたのが16世紀の宗教改革です。

当時、贖宥状の発売を行うなど堕落の目立ったカトリック教会に対して、ルターやツヴィングリ、カルヴァンなどが反旗を翻します。

彼らは「教会ではなく、聖書こそが正しい」と主張しました。

いわば聖書原理主義です。

そしてカルヴァンは聖書研究を進める中で「予定説」という考え方に至ります。

これは、人間というものは善行をしたから救われる(「神の国」に行ける)というものではなく、

最初から神の意志で救われる人間と救われない人間が決まっているとする考え方です。



この考え方は意外な結果をもたらしました。

これについては、マックス・ヴェーバーの名著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が詳しいわけですが、簡単にダイジェストすると以下のようなことです。



予定説は、人々を不安に落としいれ、かえって精神的な緊張を生み出しました。

それは人々を行動的禁欲に駆り立てます。

行動的禁欲とは、人々に役に立つ(愛につながる)行動をとることです。

それは具体的には労働でした。

古い宗教観では、労働は卑しいもの、あるいは仕方なくするものという発想があったのですが、宗教改革が進んだ国々では、労働をし、その結果として富が貯まることは善とされたのです。

その過程で利子も合理化されました。



堕落したカトリックに対抗し、人々に厳しく聖書の教えを守るように説いた禁欲的なプロテスタンティズムが、かえって資本主義の土壌を作ったわけです。そしてその流れを汲んだイギリスやアメリカが資本主義を発展させていったことは皆さんご存知の通りです。

もちろん、カルヴァンは資本主義の土壌を作るために予定説を説いたわけではありませんが、結果論として、彼の教えは資本主義の精神となってしまったのです。

引用元記事

利子ってなぜあるの?資本主義を産んだ「当たり前」の環境

https://globis.jp/article/4002/



予定説-->資本主義の形成についてはこちらも参照

「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E5%80%AB%E7%90%86%E3%81%A8%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E7%B2%BE%E7%A5%9E



ずんだもんゆっくり解説動画

【プロ倫】禁欲が資本主義を発展させたとする名論文を劇形式で解説!【歴史解説】

https://youtu.be/hcWPlz0ANHg?t=185

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