大まかには「2030年ごろに一度、新しいウォレット(新しいアドレス)に移し替えておく」という発想は悪くないですが、それだけで「絶対に大丈夫」とは言い切れません。ただし、現時点では量子コンピューターの実用レベルはまだかなり先と考えられており、すぐに心配する必要は薄いと見られています。
理由と補足を順に書きます。
1.量子コンピューターが危険になる条件
・ビットコインの公開鍵(Public key)が分かっているアドレスが本当に狙われやすいと考えられています。
・ビットコインは「送金に使った後」のアドレスは公開鍵がチェーン上に出ますが、「一度も送金に使っていないアドレス」は公開鍵が出ておらず、現状では量子攻撃の対象になりにくいとされています。
・ですので、「長期保管用のコールドウォレットのアドレスから、むやみに出し入れしない」こと自体が防御になります。
2.「2030年ごろに新ウォレットへ移す」ことの意味
・今のハードウォレットも、基本は楕円曲線暗号(secp256k1)を使っているので、「2030年に移す」だけでは暗号方式は同じである可能性が高いです。
・本当に「ポスト量子暗号対応」ウォレットが出てくれば、そのときに「量子耐性のある方式」に対応したウォレットやアドレスへ移動する、というのが理想です。
・つまり「2030年」という年にこだわるより、「量子耐性のある規格やウォレットが普及してから対応する」という考え方のほうが合理的です。
3.現時点で現実的な対策
・一度も使っていない受取用アドレスに長期保管しておき、むやみに出金しない(公開鍵をチェーン上に晒さない)。
・ハードウォレットのシードフレーズ(復元フレーズ)をオフラインで安全に保管する。
・将来「ポスト量子暗号」に対応したビットコインの仕様変更やウォレットが出てきたら、そのときに新しいアドレスへ移し替える。
・資産を分散する(1つのアドレスや1つのデバイスに集中させない)。
4.質問文への直接の答え
・「ハードウォレットをもう1個買って、2030年ごろに古いウォレットから新しいウォレットへ移す」だけでは、「量子コンピューター対策」としては不十分な可能性があります。
・大事なのは「いつ移すか」より、「どんな暗号方式・どんなアドレスに移すか」で、将来の技術動向を見て対応する必要があります。
まとめると、今は慌てて追加のハードウォレットを買うよりも、現行のセキュリティをしっかり守りつつ、数年おきに「量子耐性暗号」やビットコインの動きをチェックして、必要なときに対応するのが現実的だと思います。