可能です。希薄溶液では、浸透圧は「溶質分子が半透膜に衝突して押す圧力」で、理想気体の圧力と同じ形になり ΠV = nRT が出ます。
理由・流れ(物理的な見方)
1. 半透膜は溶媒だけ通し、溶質は通しません。すると膜に直接ぶつかって力を与えられるのは溶質分子だけです。
2. 希薄溶液なら溶質同士の相互作用は小さく、溶質はほぼ自由粒子として熱運動します。つまり「体積Vの中を動き回る粒子数nの集まり」という点で理想気体と同じ扱いができます。
3. 分子運動論(または統計力学)で、粒子が壁に与える圧力は P = NkT/V になります(Nは粒子数)。これを溶質に当てはめると、膜が受ける追加の圧力が浸透圧 Π なので
Π = NkT/V
4. N = nNA、kNA = R より
Π = nRT/V
溶質のモル濃度 c = n/V を使えば Π = cRT です。
補足
この導出は「理想溶液(特に希薄)で、溶質が理想気体のように振る舞う」ことが前提です。濃い溶液や電解質では相互作用や解離の分だけずれ、補正(ファントホッフ係数や活量)が必要になります。
追記
同じ量を別の言い方で表しているだけです。浸透圧とは「溶媒が入り込もうとする駆動力を打ち消して、溶媒の出入りを止めるために必要な圧力差」です。その駆動力の正体を膜のところの力で見れば「溶質の衝突が生む圧力」になります。
つながりを順に言うと、
1. 溶液側には溶質がいるので、溶媒の立場では自由に動ける度合いが減り、溶媒の“逃げたがり(化学ポテンシャル)”が純溶媒より低くなります。すると純溶媒側から溶液側へ溶媒が入りやすくなります。これが「溶媒が侵入しようとする」理由です。
2. 侵入を止めるには、溶液側の溶媒を「圧力で押し上げて」化学ポテンシャルを増やし、純溶媒側と釣り合いにします。押し上げるのに必要な圧力差が浸透圧です。ここまでが教科書の定義です。
3. では、その圧力差は膜の力として何に対応するか。半透膜は溶媒は通すので、溶媒分子が膜にぶつける“圧力”は両側でほぼ同じように伝わって相殺されます。一方、溶質は膜を通れないので、膜に衝突して押す分だけ、溶液側の膜には余分な押しが生じます。これが「溶質衝突による押す力」です。
4. 流れが止まっているとき(平衡)には、その「溶質が膜を押す余分な力」による圧力と、外から溶液側に加えた圧力差が釣り合います。だから、定義で入れた圧力差(浸透圧)=溶質衝突が生む追加圧力、となります。
イメージとしては「溶媒だけ通る扉の前に、溶質がたまって扉を内側から押している。扉を開かないように外から同じだけ押し返す必要がある。その押し返しの圧力が浸透圧」です。