高校化学・物理の分野の質問です。化学の教科書では浸透圧の公式としてファントホッフの法則より導かれるΠ=cRT 及び ΠV=nRT が掲載されていました。また、物理の教科書では気体の分子運動論より気体の状態方程式が導出される流れが紹介されていました。ここで質問なのですが、浸透圧の公式も気体の分子運動論のように分子の運動に注目して物理的な観点から導出することは可能なのでしょうか。もし可能なのだとしたらその流れも紹介していただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

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1023449

2026-01-26 16:35

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可能です。希薄溶液では、浸透圧は「溶質分子が半透膜に衝突して押す圧力」で、理想気体の圧力と同じ形になり ΠV = nRT が出ます。

理由・流れ(物理的な見方)

1. 半透膜は溶媒だけ通し、溶質は通しません。すると膜に直接ぶつかって力を与えられるのは溶質分子だけです。

2. 希薄溶液なら溶質同士の相互作用は小さく、溶質はほぼ自由粒子として熱運動します。つまり「体積Vの中を動き回る粒子数nの集まり」という点で理想気体と同じ扱いができます。

3. 分子運動論(または統計力学)で、粒子が壁に与える圧力は P = NkT/V になります(Nは粒子数)。これを溶質に当てはめると、膜が受ける追加の圧力が浸透圧 Π なので
Π = NkT/V

4. N = nNA、kNA = R より
Π = nRT/V
溶質のモル濃度 c = n/V を使えば Π = cRT です。

補足
この導出は「理想溶液(特に希薄)で、溶質が理想気体のように振る舞う」ことが前提です。濃い溶液や電解質では相互作用や解離の分だけずれ、補正(ファントホッフ係数や活量)が必要になります。


追記


同じ量を別の言い方で表しているだけです。浸透圧とは「溶媒が入り込もうとする駆動力を打ち消して、溶媒の出入りを止めるために必要な圧力差」です。その駆動力の正体を膜のところの力で見れば「溶質の衝突が生む圧力」になります。

つながりを順に言うと、

1. 溶液側には溶質がいるので、溶媒の立場では自由に動ける度合いが減り、溶媒の“逃げたがり(化学ポテンシャル)”が純溶媒より低くなります。すると純溶媒側から溶液側へ溶媒が入りやすくなります。これが「溶媒が侵入しようとする」理由です。

2. 侵入を止めるには、溶液側の溶媒を「圧力で押し上げて」化学ポテンシャルを増やし、純溶媒側と釣り合いにします。押し上げるのに必要な圧力差が浸透圧です。ここまでが教科書の定義です。

3. では、その圧力差は膜の力として何に対応するか。半透膜は溶媒は通すので、溶媒分子が膜にぶつける“圧力”は両側でほぼ同じように伝わって相殺されます。一方、溶質は膜を通れないので、膜に衝突して押す分だけ、溶液側の膜には余分な押しが生じます。これが「溶質衝突による押す力」です。
4. 流れが止まっているとき(平衡)には、その「溶質が膜を押す余分な力」による圧力と、外から溶液側に加えた圧力差が釣り合います。だから、定義で入れた圧力差(浸透圧)=溶質衝突が生む追加圧力、となります。

イメージとしては「溶媒だけ通る扉の前に、溶質がたまって扉を内側から押している。扉を開かないように外から同じだけ押し返す必要がある。その押し返しの圧力が浸透圧」です。

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