こんばんは。
はい、団地にも幽霊はいます。
ある冬の夜、古い団地の一角に住むおばあさんが、いつものように廊下の窓を拭いていました。寒い風が吹き込む中、ふと向かいの棟の階段に、じっと立つ女の人の姿が見えました。半袖のTシャツを着て、動かずにただそこにいるのです。
「寒くないのかねえ」とおばあさんがつぶやいた瞬間、その女の人がゆっくりとこちらを振り向きました。目が合ったような気がして、慌てて窓から離れたおばあさん。
翌朝、管理人さんにその話をすると、ぽつりと「その階段、昔事故があったんですよ」と言われました。
それからというもの、おばあさんは毎晩、窓を拭くたびに「今日も寒いねえ」と声をかけるようになりました。
女の人の姿は見えたり見えなかったり。
でも、団地の空気はどこか静かで、優しくなったような気がしたそうです。