ドイツ刑法130条3項は「ホロコースト否定になり得る調査そのもの」を禁止している条文ではありません。禁止しているのは、公衆や集会の場で、ナチス支配下の虐殺行為を承認したり、否定したり、著しく軽く扱ったりして、公共の平穏を乱すおそれがある形で広めることです。 
なので、史料を読む、現地を調べる、学術的に検証する、といった行為が直ちに「違法な調査」になるわけではありません。問題になるのは、それを使って「虐殺はなかった」「大げさだ」などの否認や矮小化を公然と発信し、社会の平穏を乱し得る形になる場合です。 
またドイツの議論では、ホロコーストは明白な歴史的事実だという前提が強く、否定は意見というより虚偽の事実主張として扱われやすいです。 
直近で件数が出るのも、いわゆる「調査」そのものより、ネット投稿、動画、演説、ビラなどの公然の表現が摘発対象になっているケースが中心と考えるのが自然です。 
「否定になる調査は認められていない」という言い方が分かりにくいのは、調査と宣伝をわざと混ぜて、検証の自由を奪われているかのように見せる言い回しになりがちだからです。