日本の街が廃墟化しているわけでも、治安が悪化しているわけでもないので、国として衰退したというのはありません。
一方で中国や韓国は次々に新しいビル群が建設されています。
つまり「昔の中国や韓国の暮らしより日本が貧しくなった」のではなく、「中国や韓国が豊かになっている」ので、落ちぶれたのではなく中国や韓国は凄い発展しているなという感想になります。
実生活の面で言えば、中国や韓国と比べるととにかく若者が少ないという事に尽きるでしょう。
生産年齢人口(15~64歳)の推移を見ると、日本は1990年時点で約8590万人であるものの、2020年時点では約7466万人で13%の減少をしています。
一方でお隣の韓国は1990年時点で約2975万人ですが、2020年時点では約3716万人と25%の増加を見せていて、中国は1990年時点で約7億4672万人ですが、2000年時点では約9億7897万人と31%の増加となります。
つまり次々と若い世代が増えているため、とにかく若者が多いです。
また生産年齢人口が支えなければならない非生産年齢人口の割合を従属人口指数と言い、数値が大きいほど負担が大きいですが、この数値を近隣諸国と比較しても日本は圧倒的に悪化しています。
国:1990年→2023年
日本:43.5→70.1
韓国:44.2→41.4
台湾:49.9→44.8
中国:52.0→44.7
米国:52.2→53.9
1990年時点では他国と比較しても日本は生産年齢人口の割合が大きいですが、2023年は他国を圧倒する数値で、労働者の負担が極限まで高まっています。
このため企業内でもとにかく高齢者が多く、若者の影響力が低いので閉塞感がありますし、単純に無職の高齢者も多いので「一人当たり」で見た経済は落ち込みます。
高齢者が多いと介護業も大きくなり、日本では2000年から2024年までに300万人以上も介護職員が増加していますが、基本的に介護は低賃金職です。
生産性の高い業界では、徹底した機械化で一人当たりの生産量を増やしますが、介護では機械化しようとすると高齢者を大部屋に集めてAIカメラで監視し、異常を察知すればベルトコンベアで医務室に運ぶような施設が必要なのでできません。
自動車工場の工員が一人で生産する自動車の数は数十年で何倍にも増えていますが、介護士が介護できる高齢者の数は全く増えないので、生産性と賃金が低いという問題は各国共通であります。
そのような業界で労働者が何百万人も増加していますが、基本的にこの層は「将来的に賃金が大幅に上昇して高収入を得る」のは諦める必要があります。
では他の業界に就職すればいいという話しも難しく、これは政府の政策としてそういう方向性になりません。
政府が景気対策をして一般企業の賃金が上昇すると、相対的に介護職の賃金が相対的に低下して人手不足となるので、政府は増税で介護職員の賃金を増やそうとするものの、増税すると一般企業の需要も低下して賃金が伸びなくなります。
つまり景気対策→賃金上昇→増税→賃金低下→景気対策…の繰り返しをしていて、いわゆるアクセルとブレーキを同時に踏む政策と揶揄されますが、若者は一般企業に就職しても希望が持てないですし、需要の高い介護に就職しても結局は低賃金が維持されるという現状です。
何をどうしても日本では「高齢者とどう向き合うか」を常に若者が意識しなければならないですし、最近ではヤングケアラー問題というのも出てきています。
もはや老人ホームに入りたくても順番待ちなところも多く、致命的な介護士不足が発生しているので、共働きしている家庭では中高生の子供が祖父母の介護をしなければならない問題で、貧困化の一例とされます。
当然ですが欧米は移民の導入で問題を抑制していて、米国の生産年齢人口も同期間に30%の増加で中国と同等ですし、イギリス・フランスでも15%の増加なので、日本だけ世界大戦の戦争をしているような若者の減少が発生しています。
米国・中国・韓国などに留学すれば、いかに若者世界で活気があるかわかりますし、韓国好きの若者からすれば日本と全く違う力強さがあるとわかります。
特に一人当たりGDPが韓国に追い抜かれているという話しでは、上記している生産年齢人口が急減して従属人口指数が悪化している事、若くて元気な労働者が減少しているのに生産性と賃金を伸ばす事が出来ない介護職員が増えている問題が大きいです。
また若者が少ない故に日本では高齢者の労働参加も多く、うちの近所の商業施設を見ても70代ぐらいで腰の曲がっている高齢者が交通整理をしていますし、コンビニ店員も70代ぐらいの女性がしています。
これが都市部だと外国人労働者も多いので実感しにくいですが、地方だと70代の労働者がいないと経済が回りません。
しかし普通に考えて、筋肉と脳が衰えている高齢者の動きは鈍く、普通に仕事しても生産性で若者に負けます。
「労働していない高齢者」は生産性を低下させる大きな原因ですが、「労働している労働者」も若者に比べて生産性が低く、最新技術を使いこなせないという問題があるので、ここも大きく影響しています。
なので地方に在住している若者であるほど、高齢者問題は身近に強く感じるでしょう。