男同士でも女同士でも歌は送り合います。
少納言統理は出家する決心をしましたから、出家後は俗世を捨てたということで、役職なども辞め表に出ることを控えることになります。
三条院(統理は、まだ三条帝になる前の東宮・居貞親王時代に仕えていた)にも、現役であればまたお仕えすることもお役に立つこともあるかもしれないが、簡単にはお会いできないということです。
清少納言が中宮に仕えて、その思い出、中宮がいかに素晴らしい方だったかを枕草子に書いたことは有名ですが、
帝や東宮(現代でいう皇太子、帝の第一継承者)といった方にお仕えすることは、当時だと単なる職場の上司というのではなく、忠誠を誓うべき相手でありその結びつきは強いものだったのでしょう。
さらに、出家した統理は、これで現世ともお別れ、親しい人にもこれからはもう会えないのだ…、というセンチメンタルな気持ちになっていたので、
東宮に「あなたに会えなくて寂しく思っています」と送ったのでしょうが、それは同時に、私はあなた様を大事に思う気持ちは変わっていませんよ。今でも忠誠を誓っていますよ、ということの表明でもあると思います。