地下水位より下に地盤がある場合、その土の単位体積重量を計算する際に9.8 kN/m³を差し引くのは、土が水中に浸かっているために生じる「浮力」を考慮するためです。
土質力学では、荷重や土圧を計算する際に土の重量を考慮する必要があり、その際に単位体積重量が用いられます。
水の密度に重力加速度を掛けた値は、約9.8 kN/m³です。
これは、その9.8 kN/m³の大きさの水の塊が受ける浮力となり、水中の物体にかかる重さを減らす効果をもたらします。
そのため、地下水位より下にある土の実際の重さを計算するには、土自体の単位体積重量からこの浮力に相当する数値を差し引く必要があるのです。
土の単位体積重量にはいくつかの種類があります。用途に応じて使い分けられます。
湿潤単位体積重量:土粒子、水、空気すべてを含んだ状態の単位体積重量です。
乾燥単位体積重量:土粒子と空気のみで、水を含まない状態の単位体積重量です。
飽和単位体積重量:土の間隙がすべて水で満たされている状態の単位体積重量です。地下水位以下の土は、通常この飽和状態にあります。
水中単位体積重量:飽和状態の土が水中にあり、浮力を考慮した単位体積重量です。
建設プロジェクトの設計では、地下水位以下の土の単位体積重量を、一般的に「9 kN/m³を差し引いた値」として扱います。
これは、土の種類によって多少の変動はありますが、実用的な設計のために標準的な値として用いられています。