コメント致します、元証券マンです。
利上げをする日銀の本音は、「円安是正」が目的です。なぜなら足元の物価上昇の半分は「円安」で説明できるからです。今の日本はかつてのような輸出大国ではなくなっているので、円安が必ずしもWelcomeではない状態です。日本の金利を上げて円安が是正される→物価上昇が抑えられる事を意図しています。
但し、2つ問題があり、利上げに慎重になっています。
①借入のある人たちが金利上昇に悩まされる
→ 借入は個人に限りません。企業の多くは借入や社債の発行をしているので、常に一定の負債残高があります。こういった所が将来の金利コスト増に悩まされる事を日銀は懸念しています。つまり利上げ→景気後退になる事を恐れています。
②そもそも金利を上げても円安是正出来るか確証がない
→ 日本の製造業の多くは、過去の急激な円高時(リーマンショック等)に苦しんだ為、製造拠点の多くを海外に移転させてしまいました。その結果、稼いだ外貨を円に変える動機がかなり減ってしまいました(ドルのまま持っている)。つまり円を買おうとする主体が世の中から少なくなってしまっているので、構造的に以前よりも円安になりやすくなってしまっています。そんな中、利上げをしても円高にできなかったら本末転倒です(①の懸念だけがますます増大する)。
こういった懸念があるので、日銀は積極的に利上げに踏み切れない状態です。また、過去の利上げ(ITショック直前)で景気を冷やしてしまった教訓もあり(その際、日銀は利上げした事に対してものすごい批判を受けました)、おっくうになっているのだと思います。