目的と方法:
通常の性交とは異なり、精子を洗浄・濃縮(IUI法)してから細いカテーテルで子宮の奥に注入します。これにより、精子の移動距離を短縮し、良好な状態の精子を効率よく卵管付近へ届けられます。
受精(精子と卵子が出会うこと)自体は、体内で自然に行われます。この点が、体外で受精させる体外受精とは異なります。
適応症(対象となるケース):
男性不妊: 軽度の乏精子症(精子の数が少ない)、精子無力症(精子の運動率が低い)。
性交障害: 勃起障害など、性交が困難な場合。
女性不妊: 子宮頸管粘液の異常(精子の動きを妨げる場合)や、原因不明不妊症の一部。
女性の卵管の通過性に問題がないことが前提となります。
治療の流れ:
超音波検査やホルモン検査で排卵日を予測します。
排卵直前の適切なタイミングで、パートナー(または提供者)から採取した精液を処理し、子宮内に注入します。
治療後は、必要に応じて着床率を高めるために黄体ホルモン補充療法が行われることがあります。
妊娠率と制限:
1回あたりの妊娠成功率は5~10%程度と比較的高くありません。
一般的に4~6回程度実施しても妊娠に至らない場合、体外受精など次の段階の治療(ステップアップ)が検討されます。
人工授精は、体外受精に比べて身体的・費用的負担が少なく、最初のステップとして選択されることが多い治療法です。