犬のレプトスピラ症では、尿細管への定着が成立すると、臨床症状(発熱・腎機能異常など)が改善しても腎臓内に菌が残存し、一定期間の尿中排菌が続く可能性があります。
未治療あるいは初期治療が不十分な場合、数週間〜数か月単位での排菌が報告されており、臨床的に回復していることが感染性が消失している、とは判断できません。
このリスクを低減するため、治療は通常、急性期の菌血症に対する抗菌薬に加え、尿細管内の菌排除を目的とした追加治療(ドキシサイクリンなど)まで含めて完結させることが前提になります。
その上で排菌リスクの評価は、血液検査ではなく「尿中の菌検出」に基づいて行うべきです。
PCR検査による尿中レプトスピラDNAの検出が最も実用的な指標で、治療終了後に陰性化していることを確認することが、退院後の隔離解除や生活制限緩和の判断基準となります。
理想的には、一定間隔で複数回陰性を確認することで、持続的排菌のリスクをより低く見積もることができます。
「症状の改善」ではなく「尿PCRの陰性化」が排菌リスク評価の軸であり、それを確認するまでは感染源として扱う前提で管理する必要があります。