釈迦の時代から、比丘尼(尼僧)は剃髪が大前提です。そもそも髪を剃らないと弟子入りできません。
平安時代の女性貴族が出家して髪をセミロングにするのを「尼削ぎ」といいますが、これは形式的な出家です。
本格的にお寺に入って修行したり、お寺の住職になったりするのではなく、夫が亡くなったり、こどもが成人したりした時点で形式的に在宅のまま出家しているだけです。
出家することで亡き夫や父母の菩提を弔い、世俗的な権力闘争や恋愛沙汰などからも距離を置いて、落ち着いた暮らしをするというのが、平安女性貴族の「出家」です。
つまり、末法思想が蔓延し、みなが来世のみを頼み、極楽往生を希求した時代ですから、出家して仏弟子になることで、より極楽往生が叶えられると信じられた時代の習俗にすぎません。
本気で仏門に入り修行する者は、平安時代にかぎらず、釈迦の時代から現代まで、男女を問わず剃髪するのです。