測定精度と安定性の点で水銀が圧倒的に優れていたからです。
1. 熱膨張が極めて正確
水銀は温度に対する膨張がほぼ直線的で、どの温度でも同じ割合で体積が増減します。
これにより、目盛りの校正が容易で、長期的に正確な測定ができます。
2. 熱伝導率が高く、外気の影響を受けにくい
水銀は液体の中でも熱伝導率が非常に高く(約8.3 W/m·K)、アルコールの40倍以上です。
そのため、脇の奥で温まった部分の熱が素早く全体に伝わり、体温計の外側が多少外気に触れていても、液体全体がほぼ均一な温度になります。
結果として、安定した正確な温度を示すことができます。
3. 蒸発しにくく、長期間安定
水銀は常温ではほとんど蒸発せず、液柱の中に気泡ができません。
アルコールや石油系液体だと気化や液切れが起きやすく、信頼性が下がります。
4. 読み取りが明瞭
水銀はガラスに付着しにくいため、液面がくっきりと見えます。
アルコール系ではガラスに濡れて境界がぼやけ、読み取り誤差が生じやすくなります。