慢性肝疾患の犬では、たとえ下痢が軽度であっても、肝臓が担っている代謝・解毒・栄養調整の余力が低下しているため、影響が全身に及びやすくなります。
下痢によって水分や電解質、胆汁酸循環、腸管での栄養吸収がわずかに乱れるだけでも、肝臓にとっては代償しきれない負荷となり、食欲低下、倦怠感、アンモニア処理能の低下などを引き起こします。
腸管バリア機能が低下すると、腸内由来の毒素や炎症性物質が門脈を通じて肝臓に流入し、肝腸相関を介して病態が増悪しやすい点も重要です。
そのため、症状の強さではなく、肝疾患を背景にした下痢かどうかという位置づけで評価する必要があります。