『論語』は漢代には『魯論』『斉論』『古論』の三本があった。その内『斉論語』は斉の儒学者によって伝承されており、そのほかの版本と比較して『問王』『知道』(つまり『智道』)の二篇が多かったが、漢魏時代には次第に失われた。
海昏侯墓から出土した斉の『論語』は儒家思想の変遷を全面的に知るうえで、つまり前漢時代の思想史研究で重要な意義がある。
斉の『論語』と同じで新出のものにがまだあり、漢代には文学の古典であり更に重要な「諫言書」の『詩経』簡には、そこに「詩三百五篇、凡て千七十六章、七千二百七十四言」の文字が記されており、海昏簡牘の『詩経』が埋葬当時には完全本の『詩経』であったおことを実証している。碁盤の局面と指し方の秘訣を記録した『六博』簡牘は王侯貴族の余暇娯楽生活を展開している。墓からは劉賀が廃された時自己弁護に引用した『孝経』簡牘など……600枚余りが出土した。
海昏侯墓から出土した簡牘は5,000点余りであり、江西の考古史上初めて発見された。一般人にとって大漢王朝の教育制度、礼制信仰と文明の気風を垣間見る貴重な窓口となる